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名古屋大学比較人文学研究室のお知らせ

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人類文化遺産テクスト学研究センター 公開セミナーのお知らせ

人類文化遺産テクスト学研究センター主催 公開セミナーを以下の通り開催いたします。

2014年7月17日(木)17:00~19:00
会場:名古屋大学文学部棟 大会議室
 
人類文化遺産テクスト学研究センター 公開セミナーのお知らせ_f0110127_1759972.png

◆畝部 敏也(名古屋大学文学研究科)
  『仏頂尊勝陀羅尼』関連の新資料について

◆佐々木 大樹(大正大学非常勤講師・智山伝法院常勤講師)
  法隆寺貝葉「仏頂尊勝陀羅尼」をめぐって
  -特に松浦史料博物館所蔵『大倭國法隆寺所蔵貝多羅梵経』に注目して-

※終了後に懇親会を開催いたします。


〈発表要旨〉

*『仏頂尊勝陀羅尼』関連の新資料について/畝部 敏也*

数多の仏典の中で最も広く信仰を集め、多く関連する文物が残っているものは何か。

有名な大乗経典である『法華経』でも『般若心経』でもなく、
意外なことに、『仏頂尊勝陀羅尼』という小テキストであろう。

今回の発表では、近年行っているタイに伝わるパーリ語写本研究の成果として、
この『仏頂尊勝陀羅尼』の因縁譚をパーリ語で伝えるUṇhissa-vijayaについて報告する。

また、パーリ語写本研究の一環として、日本に古くから遺される、
タイより伝わったと思われる貝葉写本の調査も行っているが、
去る2014年3月に平戸松浦資料館で行った調査研究のなかで、同館に伝わるパーリ語写本が、
鎖国前にアユタヤからもたらされたと思われる貝葉写本の精巧なレプリカであることを発見した。

このパーリ語写本とともに、
法隆寺に伝わる有名な梵文貝葉写本(『仏頂尊勝陀羅尼』を含む)のレプリカも発見したが、
これらのレプリカの作成には、松浦静山及び木村蒹葭堂といった著名な人物も関わっていると思われ、
大変興味深い。この点についてもあわせて報告する。


*法隆寺貝葉「仏頂尊勝陀羅尼」をめぐって
 -特に松浦史料博物館所蔵『大倭國法隆寺所蔵貝多羅梵経』に注目して-/佐々木 大樹*

「仏頂尊勝陀羅尼」(uṣṇīṣa-vijaya-dhāraṇī)は、
中央~東アジアにおいて広く流通した密教典籍であり、日本でも盛んに信仰された。

本発表では、日本に伝来された仏頂尊勝陀羅尼の資料のうち、
法隆寺所蔵「梵本心経并尊勝陀羅尼」(法隆寺貝葉:国宝)について取り上げる。

最初に仏頂尊勝陀羅尼の概論として、経典や陀羅尼の内容や相互関係について触れる。
その上で法隆寺貝葉に注目し、その模写である浄厳(1639~1702)『貝葉訳経記』、
宗淵(1785~1859)『阿叉羅帳』、さらに松浦史料博物館所蔵『大倭國法隆寺所蔵貝多羅梵経』と比較し、
テクストの相互関係、伝承の系譜等を探る。
by hikaku-jinbun | 2014-07-15 17:59
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