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名古屋大学比較人文学研究室のお知らせ

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博士学位論文口述試験のお知らせ

博士学位論文口述試験(公開)を下記の日程にて行いますので
お知らせいたします。

 日時:5月25日(水曜)、15:00~17:00

 会場:文学研究科128講義室

 学位申請者:浅野史代氏

 論文題目:「ブルキナファソ、ビサ社会におけるジェンダーと開発―村落部に
おける女性の生活誌と開発人類学的分析―」

 ※どなたでも聴講可能です。
 ※試問中の入退室はご遠慮ください。
# by hikaku-jinbun | 2011-05-25 15:00 | 公聴会

博士学位論文口述試験のお知らせ

博士学位論文口述試験(公開)を下記の日程にて行いますので
お知らせいたします。

 日時:5月24日(火曜)、17:00~19:00

 会場:文学研究科127講義室

 学位申請者:三好俊徳氏

 論文題目:「日本中世寺院における仏教史書の研究―真福寺大須文庫所蔵史料
と中心として―」


 ※どなたでも聴講可能です。
 ※試問中の入退室はご遠慮ください。
# by hikaku-jinbun | 2011-05-24 17:00 | 公聴会

博士学位論文口述試験のお知らせ

博士学位論文口述試験(公開)を下記の日程にて行いますので
お知らせいたします。


 日時:4月26日(火)18:00-20:00

 会場:文学研究科128講義室

 学位申請者:伊藤 祐吏氏

 論文題目:「丸山眞男の哲学」

 ※どなたでも聴講可能です。
 ※試問中の入退室はご遠慮ください。
# by hikaku-jinbun | 2011-04-26 18:00 | 公聴会

まるはち人類学研究会第5回「調査の「責任倫理」-当事者(性)をめぐる議論から」

日時:2月26日(土) 14:00-17:45 終了後懇親会あり
場所:名古屋大学東山キャンパス文系総合館7F

14:00-14:20 趣旨説明
14:20-14:50 石川俊介(名古屋大学大学院文学研究科博士課程後期)
 フィールドワークの自己評価-「当事者」として調べづらいことに向き合う
14:55-15:25 菅野淑(名古屋大学大学院文学研究科博士課程後期)
 調査者が「当事者になる」ということ-実践者としての活動経験から 
15:25-15:45 休憩
15:45-16:15 「サブニュマナゴヤ」ライブ
16:15-16:45 コメント 小林奈央子(慶応義塾大学文学部非常勤講師・南山宗教文化研究所非常勤研究員)
16:45-17:45 討議

人文科学・社会科学・自然科学などを問わず、あらゆる研究活動は、意図せずとも様々な人々に影響を与えるものである。それはいわゆる人間を対象とした調査・研究においてだけでなく、直接人間を対象としない調査・研究にも当てはまる。
本企画では「当事者(性)」議論を手がかりに、研究者の「責任倫理(被調査者への影響をめぐる姿勢)」について議論したい。検討対象は、いわゆる人類学的フィールドワークであるが、調査・研究活動全般に関わるテーマである。
「当事者(性)」は、近年、臨床心理学(特に質的心理学)や社会学において、重要なキ―ワードとなっている(宮内洋・今尾真弓編2007、宮内洋・好井裕明編 2010など)。これら議論の目的は、本質的に「当事者とは誰か」を考えるような不毛なものではない。「当事者(性)」議論の有意義である点は、ひとつに、固定的と見なされてきた、調査者/被調査者=「当事者」という関係性を、柔軟かつ流動的なものとして捉えなおす点である(註1)。
もうひとつに、いわゆる「民俗誌批判」で論じられてきた、非対称的な調査者/被調査者の関係性を乗り越え、共同で建設的な「研究成果」を目指すヒントになりうる点である。
調査者は、傍観者という立場を表明するのではなく、自身の「当事者」としての関わりを隠蔽するのではなく、調査者自身もフィールドの「登場人物」であること自覚するべきである。それは研究成果においても反映させるべきである。
これら論点について、明確かつ具体的に論じるため、本企画では調査における「責任倫理」について議論したい。根本的な倫理違反については、述べる必要もないと思うが、調査活動が良くも悪くも被調査者に何らかの影響を与えることは避けられない。しかし、調査活動や研究成果に対する、的確かつ正当な批判は、むしろ望ましいものである。調査者は、そのような批判を受ける調査活動を行うべきである(註2)。
 問題は、被調査者との間に、調査成果について議論できるつながりを構築し、その継続性を維持することである。被調査者は、調査成果を無視することができるが、なぜそのような厳しい評価を受けるのかについて、検討することもまた有意義である。いずれにせよ、調査成果を被調査者と共有することこそが、調査活動の建設的な成果につながる。
本企画において、発表者は自身のフィールドでの経験を自ら再構成し、「自らを内包したフィールド」について発表を行う。その中で自身の「当事者性」について言及する。現時点では、意見表明の段階を出るものではないが、討論を通して、今後の調査・研究に対する新たな視座を得たいと考えている。

註1)本企画において発表者は、あらゆる研究者はその研究対象(個人、団体、地域など)に対して「当事者」である、あるいは、将来的に「当事者性」をもつ可能性があることを前提とし、発表を行う。すなわち、研究とは、「当事者性」を引き受けることである。
註2)しかしながら、調査活動とは、被調査者たちの事情を知ることで、「書けないこと」を知っていく活動でもあると言える。被調査者たちとの「交渉」の中で調査活動を断念することもありうる。

参照文献
太田好信
 2001『民族誌的近代への介入-文化を語る権利は誰にあるのか』人文書院
クリフォード,ジェイムズ・マーカス,ジョージ編
 1996 『文化を書く』春日直樹他訳 紀伊国屋書店
サイード,W.エドワード
 1993 『オリエンタリズム 上』板垣雄三・杉田英明監修 今沢紀子訳 平凡社
 1993 『オリエンタリズム 下』板垣雄三・杉田英明監修 今沢紀子訳 平凡社
武田丈・亀井伸考編
 2008『アクション別 フィールドワーク入門』世界思想社
宮内洋・今尾真弓編
 2007 『あなたは当事者ではない-〈当事者〉をめぐる質的心理学研究』北大路書房
宮内洋・好井裕明編
 2010 『〈当事者〉をめぐる社会学-調査での出会いを通して』北大路書房
宮本常一・安渓遊地
 2008 『調査されるという迷惑-フィールドに出る前に読んでおく本』みずのわ出版
好井裕明・三浦耕吉郎編
 2004 『社会学的フィールドワーク』世界思想社
ロサルド,レナート
 1998『文化と真実-社会分析の再構築』椎名美智訳 日本エディタースクール出版部

発表1:石川俊介(名古屋大学大学院文学研究科博士課程後期)
フィールドワークの自己評価-「当事者」として調べづらいことに向き合う

 本発表の目的は、ひとつに、①調査者自身がフィールドワークにおける自身の立場について、自省的に記述することで、調査者の「当事者性」について考えることである。すなわち、様々な立場でフィールドに「居ること」から、調査することがもつ「当事者性」をあぶり出す試みである。もうひとつの目的は、②発表者が「調べづらさ」を感じた調査事例について述べることで、調査における「責任倫理」について考察することである。
①調査活動のバリエーション-フィールドでアルバイトをする
研究者は基本的に調査者という立場で、調査活動を行う。調査者は「この人は○○を調査するためにここに来ている」という「まなざし」を被調査者から受けている。しかしながら、このような関係性は一面的なものと考えられる。なぜなら、調査者はフィールドにおいて、調査のみを行っているとは考えづらいからである。あるいは、調査者という立場を表明せず、別の立場を借りて調査活動をしている場合も考えられる。
発表者は、調査活動の合間に生活費を稼ぐため、調査地内のケーブルテレビ局で番組制作のアルバイトをしていたことがある。発表者の関心に近い取材にも多く関わり、仕事でありながら、聞き取りや参与観察のように感じることもあった。発表者の調査活動は、アルバイトでの「ただ乗り」的な調査と、「通常」の調査を併用することで成り立っていたのである。
②「書けないこと」への対応-フィールドで逡巡する
調査活動において、調査者は自身の興味関心に合致する事例を模索し、それに沿った(偏った)調査を行う、ということは当然であろう。学術的な営みから見れば、フィールドは「情報」の供給源であり、それ以上でも以下でもない。
しかしながら、調査者の活動が被調査者の抱える「潜在的問題」を掘り起こす可能性がある。あるいは、顕在化している問題へ影響を与えることが考えられる。調査活動や研究成果が、様々な思惑をもった人々によって、利用される可能性も多々あるだろう。
このようなことが想定されるが、調査者の興味関心において、無視できない問題である場合、発表者は基本的に調査し書くべきと考える。様々な意見が被調査者間で飛び交う中で、「研究者が持ち込むのは新たな〈解釈〉の一つに過ぎない(飯倉 2008 81)」という意見に同意するからである。

主要参考文献
足立重和
 2004「常識的知識のフィールドワーク-伝統文化の保存をめぐる語りを事例として」『社会学的フィールドワーク』好井裕明・三浦耕吉郎編 世界思想社 pp.98-131
飯倉義之
 2008「現地の〈声〉と研究倫理」『日本民俗学』253 pp.75-83
菅原和孝編
 2006『フィールドワークへの挑戦-〈実践〉人類学入門』世界思想社
日本民俗学会理事会
 2010『日本民俗学会倫理綱領/倫理綱領にもとづく調査・研究の指針』日本民俗学会理事会
野口憲一
 2009 「農村の「地域おこし」活動に関する民俗学的研究-流動的な当事者性について-」『日本民俗学』258 pp.35-64
樋口直人
 2010「あなたも当事者である-再帰的当事者論の方へ」『〈当事者〉をめぐる社会学-調査での出会いを通して』宮内洋・好井裕明編 北大路書房 pp.87-103
三浦耕吉郎
 2004「カテゴリー化の罠-社会学的〈対話〉の場所へ」『社会学的フィールドワーク』好井裕明・三浦耕吉郎編 世界思想社 pp.201-245
ルイス,オスカー
 1970「訳者あとがき」『貧困の文化』高山智博訳 新潮社pp.358-364
八木橋伸浩
 2008「共同幻想の喪失と「個」への対応」『日本民俗学』253 pp.65-74
山田慎也
 2008「現代における葬送儀礼調査と倫理」『日本民俗学』253 pp.100-109

発表2:菅野淑(名古屋大学大学院文学研究科博士課程後期)
調査者が「当事者になる」ということ-実践者としての活動経験から-

研究者が研究対象となる地域や社会に長期間入り込むフィールドワークは、人類学を始めとして近接分野でもみられることである。研究者は調査地で被調査者と出会い、時には生活を共にしながら、調査活動をおこなっていく。調査者は、調査地で「透明人間」になることはできず、「必ず現場からのフィードバックを受け、(中略)さまざまな実践に個人としてまきこまれていく」[亀井/武田 2008:4]のである。そして、「現場での関わりやアクションと一体になって」調査は進行していき、その「体験が調査そのものの方向性を左右することもある」[前掲書 2008:4]。また、調査者と被調査者の関係性は流動的なものであり、調査者が「当事者」になる/なってしまう可能性は否定できない。
発表者はこれまで、滞・在日アフリカ人ミュージシャンおよび日本においてアフリカンダンスや太鼓(ジェンベ)の演奏を愛好する日本人に注目し、その活動実態を調査研究してきた。発表者は、この調査研究を開始すると同時に、実践者(演者)としての活動も開始した。この行為は、調査地および被調査者との関係性を築くためには、不可欠なことであった。当初は受動的であったが、次第にクラスやイベントの企画・主催にも携わる立場として主体的に活動するようになっていった。これは、自らが望んだ部分もあるが、被調査者との関係性の中で生み出された結果である。本発表では、発表者自身の実践者としての活動経験の事例を元に、調査者が「当事者になる」/「なっていく」過程を報告する。その上で、「当事者」になってしまったがゆえの苦悩やそれに伴う責任倫理、調査成果還元のあり方を考えていきたい。
 また、本発表後には、発表者が演者として参加しているパフォーマンス・グループ(サブニュマ名古屋)の演奏をおこなう。これは、「調査者が当事者の一人として、被調査者とともに調査地で実践していることを研究世界で実演する」という新しい試みである。そして、発表者のいう「当事者になる」ことの実例、実証でもあり、「調査者-被調査者」という関係性を見直す試みにもつながると考える。 また、研究会の場で実演することは、被調査者側にとっても、研究者からの視線や評価を感じる場にもなるだろう。被調査者からの研究に対する一定レベルの理解を得ることは、調査者と被調査者との共同で建設的な研究成果を生み出す一助にもなると期待する。ひいてはそれが、調査地/被調査者への調査成果還元にも繋がるのではないだろうか。
発表者の事例および実演を通して、本企画のサブタイトルである「当事者(性)をめぐる議論」への話題提供のひとつとなれば幸いである。

主要参考文献
飯牟礼悦子
2007「『当事者研究者』の流儀-2.5人称の視点を目指して-」『あなたは当事者ではない-<当事者>をめぐる質的心理学研究-』pp.111-122 北大路書房
今尾真弓
2007「当事者で『あること』こと/当事者『とみなされる』こと」あなたは当事者ではない-<当事者>をめぐる質的心理学研究-』pp.80-91宮内洋・今尾真弓編 北大路書房
遠藤保子
2000「ダンスのフィールドワーク:課題と成果還元をめぐって」『体育学研究45』pp.443-448 日本体育学会
2001「舞踊と社会 アフリカの舞踊を事例として」文理閣
クリフォード,ジェイムズ・マーカス,ジョージ編
1996 『文化を書く』春日直樹他訳 紀伊国屋書店
サイード,W.エドワード
1993 『オリエンタリズム 上』板垣雄三・杉田英明監修 今沢紀子訳 平凡社
1993 『オリエンタリズム 下』板垣雄三・杉田英明監修 今沢紀子訳 平凡社
亀井伸孝 
2008「異文化理解の姿勢を教室で教える-ろう者の文化を学ぶワークショップ」「はじめる-アクションから見えるフィールドワーカーの姿」『アクション別 フィールドワーク入門』pp.125-139 武田丈・亀井伸孝編 世界思想社
武田丈・亀井伸孝
2008「はじめる-アクションから見えるフィールドワーカーの姿」『アクション別 フィールドワーク入門』pp.1-9 武田丈・亀井伸孝編 世界思想社
田垣正晋
2007「障害者による障害者心理の研究の意義と課題」『あなたは当事者ではない-〈当事者〉をめぐる質的心理学研究-』pp.101-110 北大路書房
松本学
2007「当事者であることに目覚める・離れる・また近づく」『あなたは当事者ではない-〈当事者〉をめぐる質的心理学研究-』pp.92-100 北大路書房

サブニュマ名古屋
2005年結成。
西アフリカの太鼓ジェンベとそれに合わせて踊るダンスのパフォーマンス・グループ。
現在では、総勢20名を越える大所帯。
サブニュマとは、ギニア共和国マリンケ人の言葉で「素敵な出会い」や「何か良いことがある」という意味。
名古屋市を中心に、来日アフリカ人ミュージシャンのライブやお祭り、イベントなどで演奏活動をおこなう。
メンバーの約半数が、ギニアやセネガルなどアフリカ現地滞在経験あり。
ステージひとつひとつが「素敵な出会い」。太鼓とダンスを通してアフリカ文化を楽しく紹介している。
# by hikaku-jinbun | 2011-02-26 14:00 | 外部研究会情報等

まるはち人類学研究会特別例会「アライアンス・プロジェクト・ワークショップ 」

日時:2月19日(土)13:30-18:00 終了後懇親会あり。
研究会タイトル
「アライアンス・プロジェクト・ワークショップ」
講演タイトル
「親族図空間の共有:アライアンスからみえてくるもの」

日程:2011年2月19日(土)13時-18時
講師:椙山女学園大学 杉藤重信先生
場所 :名古屋大学文学部大会議室(文学部棟入り口入り、階段前左手に曲がり突き当たり)

プログラム
1部
13:30-14:30 講演 杉藤重信(椙山女学園大学・人間関係学部・教授)
 親族図空間の共有:アライアンスからみえてくるもの
14:30-14:50 質疑応答
14:50-15:00 休憩
2部
15:00-18:00 ワークショップ

会場の準備の関係上、参加者の方には事前に登録していただけますようお願い申し上げます。

当日はご自身でPCをご用意していただく必要があります。
事前にアライアンス・プロジェクトサイト
http://study.hs.sugiyama-u.ac.jp/j/
にて登録し、Alliance3.1をダウンロードして頂き、ダウンロードしたAlliance3.1をインストールしたPCをご持参ください。

*なお、ダウンロード、インストールができない方は当日PCをお持ちください。
インストール用USBメモリの用意がございます。

研究会事務局では原則としてPCをご用意することができません。
事前登録、ご不明な点等は研究会事務局maruhachi.anthropology@gmail.comにお願いいたします。
# by hikaku-jinbun | 2011-02-19 22:50 | 外部研究会情報等
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